失敗しないバイオガスプラントの計画
バイオガスプラントの基本的なプロセス、構成機器類はシンプルなものですが、できるだけ効率の良いバイオガスプラントを建設しようとすると、投入原料の種類、性状、処理量などの条件、回収したエネルギーの利用方法、プラントの自動化の度合いと投資可能な金額、プラントの立地条件、各種法規制など様々な条件を考慮に入れて、様々な選択肢を検討する必要があります。
バイオガスで失敗しない方法
バイオガスプラントの設計、建設に関しては、特定の企業の○X方式といったシステムが、どのようなケースに対しても最適ということはありません。
失敗のないバイオガスプラントを建設するためには、先ず設計するために必要な条件などについて正しい情報を十分にそろえた上で、この情報をもとに最適な処理方法、プロセスを決定するプランニング(基本計画)が正しく行なわれる必要があります。
一般的にプランニングは以下のように行なわれます。
プラント設計に必要な条件に関する情報の整理:
プランニングに際して先ず以下の情報が必要となります。
- 投入原料の種類
- 投入原料の処理量(種類毎)
- 立地条件
- 各種法規制等
- 熱の利用方法
- 殺菌の条件
- 自動化の度合い
以上のようなデータに基づき、先ずプラントの大まかな基本的なプロセスが決定し、以下の仕様が導き出されます。
- ガス発生量
- コジェネ設備の仕様
- メタン発酵槽の容量
- フローシート
- レイアウト
- コスト評価
この基本設計にはその案件に最も適した処理工程の決定も含まれます。
投入原料の性状に基づき、最も効率が高く、かつ安定したプロセスが選択されます。
具体的には以下のような条件が決定されます。
- 中温発酵または高温発酵の選択
- 1ステージまたは2ステージプロセスの選択
- 攪拌方法
- 加温方法
- 湿式または乾式の選択
以上のような条件から、どのようなタイプの発酵槽を選択するかが決定されます。
バイオガスプラントにおいては発酵槽がその心臓部となりますので、発酵槽の選択を誤るとバイオガスプラントの失敗につながります。 誤った発酵槽の選択をしないためにも、一番最初の情報の整理を先ずしっかりと行なっておくことが重要です。