様々なバイオガスプラント
当初はドイツの農家で、豚や牛など家畜の糞尿だけを原料としていたバイオガスプラントも、 再生可能エネルギー法の施行などにより発電量を増やすメリットが実感できるようになると、ガス発生量を増やすために、食品残渣、エネルギー作物など、様々な原料が投入されするようになりました。
原料が変わるとプロセスや発酵槽のレイアウト、必要となる構成機器も多種多様となってきました。
一口にバイオガスプラントと言っても、今日では規模も外観も大きく異なる様々なタイプのバイオガスプラントが稼動しています。
1990年代初期の小規模個別型農業用バイオガスプラント
スチール製横型タンクを利用した発酵槽
1991年に建設された家畜糞尿と食品残渣を原料とする発電出力27kWの小規模なバイオガスプラントです。 100m3のスチールタンクをメタン発酵槽に利用しています。 撹拌はタンクの中に組み込まれたパドルで行ないます。 たいていはこのメタン発酵槽の後ろにスラリータンクを配置し、その上にガスバッグを取り付けて消化液貯留槽兼ガスホルダーとしています。
コンクリート製タンクのメタン発酵槽
1996〜1998年にかけて養豚農家が建設した、養豚糞尿と食品残渣を原料とするプラントです。
左側の緑色の保温材に覆われたタンクがメタン発酵槽で、右側のタンクが消化液貯留槽ですが、両方のタンクの上部がメンブレンに覆われてガスホルダーとなっています。 また、メタン発酵槽は二重構造になっており、その内側の槽は可溶化槽となっています。
2000年代の家畜糞尿とエネルギー作物とを原料とするバイオガスプラント
大規模な養豚場の糞尿にコーンなどのエネルギー作物を加えて処理するバイオガスプラントです。
メタン発酵槽は4,300m3で、隣の消化液貯留槽兼ガスホルダーの消化液貯留容量は2,850m3です。 どちらもグラスコーティング鋼板による組立式のタンクです。 発電出力はガスエンジン2台合計で511kWです。
2000年代の家畜糞尿を原料としないバイオガスプラント
草だけを原料とするバイオガスプラント
草だけを原料としており、原料はコンクリート製メタン発酵槽にスクリューコンベアで投入されます。
原料となる草は収穫されるとサイレージで保存され、年間を通じて一定量がメタン発酵槽へ投入されます。 メタン発酵槽の容量は630kWで、発電機は最大出力160kWのデュアルフューエルエンジンです。
ジャガイモ澱粉工場の廃水を原料とするプラント
ジャガイモ澱粉加工工場の隣に建設されたバイオガスプラントで、この工場から排出されるジャガイモ加工廃水を原料としています。 4基の容量2,500m3のメタン発酵槽、5,000m3のガスホルダー、可溶化槽などは全てグラスコーティング鋼板の組立式タンクです。 最大発電出力は8MWです。
剪定枝と食品残渣を原料とするバイオガス・コンポスト複合プラント
オーストリアのチロル地方に建設されたに日量23tの食品残渣と剪定枝を処理するリサイクルプラントです。 原料は水分量が少ないため乾式メタンの方式が採用され、発酵槽はプラグフローのスチール製タンクです。 消化液は脱水され、その固形分は完全密閉モジュール型コンポスト装置でコンポスト化されます。






