スパイラル熱交換器のバイオガスプラントでの使用例
スパイラル熱交換器はコンパクトですので、大きな設置スペースを必要としません。
メタン発酵槽とデュアルパーパスタンクの間のスペースにポンプ類などと一緒に据付け、原水のメタン発酵槽投入前の加温、メタン発酵槽内の温度維持を行なったり、メタン発酵槽と可溶化槽の加温、原水の殺菌と加温など、バイオガスプラントの様々な熱を必要とするプロセスに使用することができます。
1台のスパイラル熱交換器でメタン発酵槽とデュアルパーパスタンクの温度維持
このバイオガスプラントは草だけを原料としており、原料はスクリューコンベアでメタン発酵槽へ投入されます。
そのため、原料のメタン発酵槽投入前の加温は行なわれずに、容量680m3メタン発酵槽とスパイラル熱交換器の間を液を循環させて加温します。
デュアルパーパスタンクは二次発酵槽のような役割もあり、メタン発酵槽のように温度を維持する必要があります。
そのため、のメタン発酵槽とデュアルパーパスタンクの間に設けられたポンプ室の中に2段のスパイラル熱交換器1台を据付け、循環回路を切り替えてメタン発酵槽とデュアルパーパスタンクを交互に加温しています。
スパイラル熱交換器による集約型バイオガスプラントの殺菌・ヒートリカバリー
このプラントでは、年間110,000m3の家畜の糞尿と食品残渣を処理しています。
このようなプラントでは、原料の殺菌処理が義務付けられているため、原料の殺菌処理と、処理後の中温発酵温度域までの温度調整に2組のスパイラル熱交換器が利用されています。
殺菌工程は、2つの殺菌槽で交互にバッチ処理されますが、この工程では一組のスパイラル熱交換器でバイオガス発電によるコジェネ設備からの温水を利用して、原料は70℃まで加熱され、その温度で1時間保持されます。
一つの殺菌槽での殺菌工程が終了すると、70℃まで加熱された原料と、原水槽からの常温の原料がもう一組のスパイラル熱交換器で熱交換され、殺菌済みの原料は中温域まで温度が下げられてメタン発酵槽へ投入され、原水槽からの原料は常温より加温されながらもう一つの殺菌槽へ投入されます。
スパイラル熱交換器の日本での納入事例
北海道別海町のバイオガスプラント
このプラントでも乳牛の糞尿と食品残渣などの原料の殺菌工程とヒートリカバリーに、スパイラル熱交換器が利用されています。