バイオガスの基本プロセス
バイオガスは、基本的に以下のようなプロセスによって発生します。
第一段階 - 可溶化 -
タンパク質、炭水化物、脂肪、セルロース(繊維素)などの高分子有機物が、糖類、アミノ酸、高級脂肪酸などに低分子化します。(加水分解)
そして、低分子化された有機物が酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸、更には、有機酸、アルコール、二酸化炭素、硫化水素などに分解します。(酸発酵)
第二段階 − メタン発酵 −
メタン菌によって低級脂肪酸がメタンガスに変換されたり、水素、二酸化炭素からメタンガスが生成されます。
バイオガスが発生するために必要な条件
温度
メタン菌も種類によって活性化しやすい温度帯に違いがあり、その温度を維持することで、バイオガスを効率よく発生させることができます。
活性化しやすい温度帯の違いで、大きく低温菌、中温菌、高温菌に分けられますが、バイオガスプラントでは一般的に、35℃前後に保つ中温発酵と、50〜55℃に保つ高温発酵のどちらかが用いられています。
嫌気
メタン菌は偏性嫌気性菌なので、新たな酸素が補給されることのないよう密閉された状態に保たれる必要があります。
バイオガスプラントの基本的な構成
バイオガスを効率よく継続的に発生させ、更に発生したバイオガスを効率よく活用してエネルギー回収するための施設がバイオガスプラントです。
その基本的な構成はシンプルなもので、基本プロセスを持続させるために必要な条件をつくりだす、メタン発酵槽をメインとした以下のようなものとなります。
バイオガスプラントは基本的にはこのようにシンプルなものですが、原料の種類、性状、処理量などの諸条件や、中温発酵または高温発酵のどちらの処理方法を選択するかなどの考え方の違いにより、そのレイアウトも多種多様で、用いられるプロセス技術や構成機器も様々です。